生徒のTさんは動物写真家。暇を見つけては遠くの大自然あふれる場所へ出かけ、「最高のショット」を求め続ける。真夏の山々、厳冬のオホーツク海、普通の人なら到底耐えられない場所に何時間も張り込み、その瞬間を待つ。彼いわく、写真は釣りと同じだそうだ。高い宿泊費や運賃を払って現地に赴いたからと言って、狙った獲物が撮れる保証などない。ボーズで帰ることもしばしば。 そんな彼を、奥さんは呆れ顔で見ている。(当然だわなあ、アッごめんTさん!)
なぜそこまで動物写真にこだわるの?とたずねる私にTさんはひとこと答えた。「そこに動物がいるから」
たとえばこの写真を見てほしい、シャケをくわえたヒグマ、親からエサをもらおうと、3匹同時に口を開けるクマゲラの子。ほんの数秒しか見られないシーンをカメラにおさめたときの満足感や達成感。それがすべてなんです。
すごいなあTさん、そこまでこだわりを持てるなんて。僕には到底まねできない。そこがTさんのTさんたるゆえんなんだろうね。これからも最高の写真が撮れるよう、応援します。