Nさんは御年70才。だがとても若々しい。
つい数年前までコンビニでバイトしたり、スーパーでレジ打ちをしていた。だから体の動きや頭の回転が速いのだろう。
そんなNさんが英検3級を目指すと言い出したのはおよそ半年まえだった。
3級と言えば中学3年程度。おまけに2次試験まである。正直キツイだろうなあ、と感じた。
週に一度のレッスンじゃあ足りないよ。毎日継続して勉強しなきゃ合格はおぼつかない。 わからないところがあったら後回しせずにメールして! とゲキを入れるのが精いっぱいだった。
ところが彼女、それから猛烈に試験勉強を始めたのである。理解できないところがあれば、昼夜問わず携帯メールを送ってきた。そのエネルギーたるや、セヴンティ(70)でなくセヴンティーン(17)のよう。
一次筆記試験だけでなく。二次対策も怠らなかった。専用問題集を買い込み、基本構文を何度も復習。これはひょっとするかもしれないな、と感じさせる瞬間だった。
「先生、うかりましたー」と大声で電話してきたのは二週間前。なんと得点率は1次も2次も9割という完璧な横綱相撲。
「次は準2級を目指す」という彼女。 セヴンティの果てしない挑戦はつづく・・・・