脱サラして塾を始めてから12周年を迎えた。
振り返るといろいろあったが1番強く印象に残っているのは当時中学3年生だったK君だ。
スポーツとゲームが大好きで勉強は苦手。特に英語は常に20点台という有様。
しかし努力の甲斐あってある日の単語小テストで初めて満点をとった。その答案用紙を握りしめて満面の笑みで駆け寄ってきたあの日…
だが良い状態は長続きしなかった。複雑な家庭事情、無断欠席をかさねる様になり、やがてやめてしまった。
数ヵ月後、ひょっこり教室に現れた彼、手には菓子折り。「あの、突然やめてすみませんでした」とペコリ。
思わずジワっと来た。歳をとると涙もろくなる。涙がバレないようケツに蹴りを入れ「なんだよう今ごろ来てえ。」
ヘタな芝居だ。大根役者以下。
彼に素晴らしい未来が訪れますよう。