経済学なら・・・

塾をやっていてハンデに思うのは英語しか教えられないこと。

他教科を教えることができる予備校に比べ、見劣りは避けられません。

だからと言ってこの歳で数学や理科を教えるなんて無理無理。

英語だけで勝負しなきゃ、と思っていました。

ところが先日意外なことが判明・・・

高1のMさん、浮かない顔で教室にやってきた。どうしたのか聞くと、社会科の試験が悪く、クラスの中でもかなり下位に甘んじてしまったとのこと。

次の試験で挽回したいがやり方そのものがわからない、とうなだれるMさんになんとかしてやりたいが何もできない自分が悲しい。

「社会科かあ、地理や歴史などほとんど覚えていないもんなあ。」とつぶやくと、「いや、そんなんじゃなくて、現代社会という科目なんです。経済学とか・・・」とMさん。

「えっ、ケイザイガク? ちょっと教科書を見せてくれる?」手渡された教科書をパラパラめくってみた。 需要曲線、供給曲線、均衡価格、可処分所得、消費者物価、設備投資。「なあんだ、これなら大学時代に習ったことばかりだ。俺でもなんとかなりそう。」 「ええーー、おしえておしえて。英語よりこっちが大事。来週小テストがあるの。」 

そんなわけでこの日の授業は英語ではなく経済学になりました。 

まさか40年前に習ったことが今活かされるなんて、変な気分です。

本当に大丈夫なの?

6月に行われた英検の1次筆記試験結果が発表されました。The results of the Eiken 1st stage tests have been announced.


私の生徒からは、5級一人、3級二人、そして2級一人が関門を突破。Among my classes whom I have taught this previous season, I am proud to announce that one of my students passed the 5th Grade Eiken Examination from this recent session, while two of my female pupils and a senior high boy  passed the 3rd and 2 nd level, respectively.

 
ですが一方で、準2級で三名、2級で一名が不合格でした。 On the other hand, unfortunately, three of my apprentices didn’t make it through the Pre-2 Exam, and one through 2nd grade.


合格するに十分な実力があると思い、送り出しました。なので責任を感じます。I feel responsible for having told them to take a chance. I was confident that all of them were well enough to succeed.

得点結果表を見るとライティングテストが以前より厳しく採点されている気がしました。Looking at their score reports, I felt that their writing tests were graded more strictly than before.

今回から英作文テストの採点にAIが初めて導入されたそうですが、そのことと関係があるのでしょうか?Does it have anything to do with the fact that the Artificial Intelligence (AI) has been introdiced to mark the writing tests for the first time?

採点基準が変わったかもしれないのに、詳しく知らされず受験料を払った人たちがかわいそうですよ。I feel sorry for the people who paid money for the test and not well informed of the possible change in EIKEN’s grading standard.


将来はイラストレーター

生徒の一人がイラストを描きました。お母さんが仲間と春の飲み会を開いているところを書いたのだという。One of my students drew a picture of her mother having a spring party with her friends.

これを仕上げるのにどのくらいの時間がかかった、ときいてみたら。   

I asked her how long it took her to get it done.

  [

「20分です」Twenty minutes!       
こともなげに答えてくれました。She replied  as if it were nothing.


本当に絵の才能がある子です。Indeed, she has a talent for drawing.

キツネ

生徒のMさんはお医者さん。先日のレッスン時、外にキツネが見え、こんな風な会話が飛び交いました。紹介します。(F が私です)


M )   Look.  There’s a fox out there. 見てください、キツネがいます。
F)  Oh it’s cute. おお、かわいいですね。
M) Foxes are cute but dangerous.キツネはかわいいけれど、危ないですものね。
F) Dangerous in what way?  どんなふうに危ないのだろう。
M)  Foxes poop everywhere – on the ground, grass, and streets. キツネはあちこちでフンをする、地面、草地、道路。
F)  No doubt about it.それは間違いないですね。
M) The poops have tapeworm eggs in them.  (ふんの中にはサナダムシの卵があるのです)
F)  I have just remembered –  echinococcosis.(思い出した、エキノコックスだ。)
M)  That’s right.  Echinococcosis is a parasitic disease.(そのとおり、エキノコックスは寄生虫の病気なのです。)
F)  So if you touch the soil and then touch your mouth…..(土にさわった手で口にふれると)
M)  People become infected by ingesting eggs of the parasite.(それを食べて感染する恐れもあります)
F)  What happens to them? (どんな症状が出るのですか)
M)  Liver failure. I have seen my colleagues perform surgery on such patient before.   (肝機能不全です。以前同僚が手術するところを見たことがあります。
F)  Surgery? What sort of surgery did they do? (外科手術? どんな風な手術を行ったのですか)
M)  A part of the liver was dissected to remove the infected part. (肝臓の一部を切除するのです、感染した部分を取り除くため)      Do you want me to describe more precisely? もっと正確に説明しましょうか?
F) No, I’d better not. I’m a blood phobia.やめておきます。血を見るのが怖いので。

勉強嫌いが満点取った!


「ウチの子、英語が大嫌いなんです。 成績はどん尻です。 野村先生の手で何とかしてやってください。」 そういいながら母親がこの子を連れてきたのが昨年秋だった。

それから1対1の授業がはじまった。 だが、何を話しても答えてくれない。I,my, me の区別もつかない。 いやはや困った。どこから手を付ければいいのだろう?

とにかく信頼関係を築こうとおもい、いろんな話をしてみた。大昔の学生時代のことをメインに話した。 担任の先生に口答えして殴られたこと、父親とケンカしてプチ家出したこと、隣のクラスの女子が好きになって手紙を書いたけどフラれたこと。

努力の甲斐あって、その子は段々と心を開いてきた。目が合うようになり、笑顔も見せるようになった。 ここまでくればしめたもの! あと少しだ。

ノートに記入するよりパソコンやタブレットに入力するほうが好きだとわかり、PC中心にきりかえた。なんと今風の子らしくキーボードの操作がとても速い。 教科書1ページ分の英文などあっという間に入力してしまう。 

母親からメールがくる。「ウチの子は飽きやすいのですぐにやめると言い出すと思っていましたが、野村先生の塾だけは続けたいそうです。やる気にさせてくれてありがとうございます。いいニュースがあります。私から言ってもいいのですが、子どもがどうしても直接野村先生に言いたいそうです。」

そして先日の授業、その生徒は教室に入るなり大きな声で話してくれた。学校の英語の時間に小テストがあり、満点をとったという。

おおう、やったじゃないか。オラー!

思わず叫んでしまった。 赤点しかとれなかった生徒ががんばった。たかが小テストかもしれないが、満点をとった意義はおおきい。

その調子だ、次もがんばっていこう!

対面式

去る4月8日、名寄市立大学にて英語担当教員8人と新入生との対面が行われました。講堂に集まった200人のフレッシュマン。ペチャクチャおしゃべりしたり、スマホをいじくったり。

ところが壇上に我々8人が姿を現すとシーンとなりました。 

そしてひとりひとり英語で自己紹介。私はいい歳こいて緊張しまくり・・・

でも壇上から見た生徒たちの表情は一様になごやか。長かった受験勉強を終えた安ど感が感じられました。つまらないおやじギャグに無理して笑う余裕も・・・

さて今年はどんな問題児? がいるだろうか。大学に入ったばかりの頃はにこやかでも、5月に入ると途端に表情が曇る生徒が現れる。いわゆる5月病だ

誰もが一度は通る道といえど、やっぱり若者にはきつかろう。 どうか負けずに乗り切って素晴らしい4年間をすごしてほしい。

すべての行事を終え、旭川へ戻る前に大学附属図書館へ立ち寄る。ここは新刊の宝庫! 出版されたばかりの本が置いてある。 手当たり次第に2冊借りた。

経済学の本なんて大学以来読んでない。はたして読破できるやら・・・

失敗図鑑のほうは、歴史上の人物たち(ノーベル、ピカソ、ライト兄弟など)の失敗経験を網羅したもの。小中学生の授業の時に話のネタになればと思って借りました。

さあ新学期!

たいていの高校は明日が入学式。旭川東高、北高、南高に進学することになった生徒たちが新しい教科書をもって教室にやってきました。

何も書かれていない真っ白なページ、そして独特のにおい。春の訪れを感じさせます!

講師をやらせていただいている名寄市立大学も明日から授業スタート。 さてどんな一年生が集まるのか楽しみです。 

この大学は3割が道外勢。人気の高さがうかがえます。去年は岩手、秋田、山形、福島、茨城、栃木、新潟、大阪、静岡、滋賀からの学生が私の受け持ちクラスにいました。マイナス20度の冬は寒いけれど楽しい、なんて言ってたなあ。

まじめに授業を聞いてくれる子、聞いているようで全然聞いていない子、頻繁にトイレに立つ子、反抗的な目でにらんでくる子・・・手を焼かせる生徒ほどやりがい感じます!

新元号

新しい年号が令和(れいわ)と決まりました。

さっそく国内外のマスコミが報道。 なかでもウオールストリートジャーナル社の記事が目を引いたので紹介します。

Japan Chooses Reiwa as Era Name for Next Emperor

After a fevered guessing game that preoccupied Japan for months, the government revealed the name of the new era when Crown Prince Naruhito becomes emperor May 1 will be Reiwa.

3行目の fevered guessing game that preoccupied Japan for months は、ここ数か月日本中で新年号の予想ごっこが流行ったことを表しています。 しっかりと観察されていたわけだ・・・

当塾でも生徒たちが勝手に予想していましたが、全員みごとにハズレたようで・・・

平成が始まったころを思い出します。東京でサラリーマンをしていたあの頃。 バブル期で仕事は山積みの毎日。最終電車に間に合わずサウナ風呂に寝泊まりして朝食は吉野家の牛丼でした。

ある朝、なんだか騒がしいなと思ったら天皇陛下が御崩御され、そして新しい年号が平成であることを知りました。

いったいどんな世の中になるんだろう、自分のこれからの人生はどうなってゆくんだろう? 色んなことが頭をよぎったっけ・・・・

今、塾をやっていて悲しいのは、平成生まれの生徒たちが昭和をとても不便な時代だとみなしていることです。「ネットも携帯もないなんて信じられない。そんな時代に生まれなくてよかった」ああそうかいそうかい 怒

そんなことはないさ、昭和は昭和で楽しいことがいっぱいあったんだぞ、と一人豪語する私です。

 

久々にビジネスイングリッシュ!

市内の企業からお問い合わせがありました。 ヨーロッパの某国から器材を輸入するにあたり、契約を結ぶのでアドバイスが欲しいとのこと。

私は人生の半分を貿易関連業界で過ごしてきましたので、その辺の知識が少しでも役立てたらと思っております。お声掛けくださった社長さんには心よりお礼を言いたいです。

さっそく25日月曜日午後に事務所へお邪魔することになりました。 さて、遅刻したら大変だ。今日は早く寝ようっと・・・

公立高校合格発表

3月18日午前10時、全道で一斉に公立高校の合格発表がありました。 私の生徒で今年高校受験だったのは計7名。 そのうち6名からうれしい便りが寄せられました。

不合格だった生徒が気がかりです。早く元気を出してくれたらよいのですが。 どうしても45年前の自分と重ねてしまいます。 あの日も天気は穏やかでした。自分は受かるものと確信しながら掲示板に見入ったのに、そこに自分の名前はありませんでした。

今回不運にも落ちた全道の生徒の皆さん。15歳で不合格という烙印を押された現実・・・きっとつらいことでしょう。僕が昔、担任の先生に言われた言葉をそのままみなさんに届けます。

おい野村、よく聞くんだ。俺は教師だ、いままでたくさんの生徒を送り出し、その後の人生も見てきた。高校や大学にストレートで入った者は、その後社会人になって壁にぶつかり挫折する。それまでスムーズに来た分、準備ができていないからだ。

それに引きかえおまえは15で大きな苦難にあった。今はつらかろうが将来のオマエをきっと支える力になるだろう。今日は思い切り泣いていい、でも明日からはまた立ち上がれ。

この言葉にどれだけ救われたことか・・・