塾をやっていてハンデに思うのは英語しか教えられないこと。
他教科を教えることができる予備校に比べ、見劣りは避けられません。
だからと言ってこの歳で数学や理科を教えるなんて無理無理。
英語だけで勝負しなきゃ、と思っていました。
ところが先日意外なことが判明・・・
高1のMさん、浮かない顔で教室にやってきた。どうしたのか聞くと、社会科の試験が悪く、クラスの中でもかなり下位に甘んじてしまったとのこと。
次の試験で挽回したいがやり方そのものがわからない、とうなだれるMさんになんとかしてやりたいが何もできない自分が悲しい。
「社会科かあ、地理や歴史などほとんど覚えていないもんなあ。」とつぶやくと、「いや、そんなんじゃなくて、現代社会という科目なんです。経済学とか・・・」とMさん。
「えっ、ケイザイガク? ちょっと教科書を見せてくれる?」手渡された教科書をパラパラめくってみた。 需要曲線、供給曲線、均衡価格、可処分所得、消費者物価、設備投資。「なあんだ、これなら大学時代に習ったことばかりだ。俺でもなんとかなりそう。」 「ええーー、おしえておしえて。英語よりこっちが大事。来週小テストがあるの。」
そんなわけでこの日の授業は英語ではなく経済学になりました。
まさか40年前に習ったことが今活かされるなんて、変な気分です。