小学生相手の英語授業の時間、なるべく会話をさせるようにしている。
10パターンほどの質問を用意し、暗記させ、隣に座った生徒に質問させている。
聞かれた生徒はもちろんそれに応じた回答をせねばならない。
ところが何回練習しても答えに詰まる質問がある。それは
You look happy. What’s up?
と言う質問だ。「うれしそうだね、何かいい事でもあったの」と言う意味だが、どう答えていいのかわからないのだと言う。
「特別なことじゃなくてもいいんだぜ、身の回りの小さな事でちょっとだけ嬉しかったことを言えばいい。何かないのか。」
子らの表情は変わらない、相変わらず困っている。
うーん困ったなあ。
このままではいけない、何か身近な具体例を出さなくては。
「そうだカレーなんかどうだ。先生が小学生だった時、夕方に家の玄関ドアを開けてカレーの匂いがプーンとするとうれしかったぞう。」
「じゃあそれにする。英語でなんて言うか教えて」と言う子ら。
そうだなぁ、We’re going to have some curry and rice for dinner. でいいよ。
早速発声練習を始めた子供らを見ながら思いにふけった。
海外で働いていた時、似たような質問をされたものだった。
良い週末を過ごしましたか、夏休みは楽しかったのですか、クリスマスホリデーをどう過ごしましたか、などなど。
そのたびに何て答えたらいいか迷ったものだ。きっと日本人には苦手な質問なのだと思う。
だからこそこれからの時代を担う子供らにはこの手の質問には慣れていて欲しい。
ほんのちょっぴり嬉しかったことを人に伝える努力。これがコミニケーションをどれだけ豊かにするか。
どんなに時代が変わっても求められるだろう。