水曜日、小学生クラスでの出来事。教室に入ると2人の子が押し問答している。
どうやら鉛筆や消しゴムの貸し借りでもめているらしい。
子供だなぁー、仕方なく仲裁に入る。
「ハイハイケンカはそこまで。筆記用具ならいくらでもあるから心配するな。」
筆箱を渡す。
中にある10本ほどのエンピツを見て子供らが声を上げた。
「なにこれ、1本変なのが混じってる。」
「えっ見せて見せて。」
「男の子の顔が描いてある。」
「雪印カツゲンってなあに、野村先生」
「どこで売ってたのこの鉛筆。」
このリアクション・・・円筒形でしかも商品名が記された鉛筆が珍しいらしい。
「売ってないよ。机の引き出しの奥に眠ってたのさ。カツゲンは確かヤクルトみたいな甘酸っぱい飲み物だった。」
子供たちの質問に一つ一つ答えている自分がおかしい。
スマホ、タブレット、オンラインゲームに慣れきった子らの目には昭和のものが新鮮に映るんだなあ。
気がつけばケンカをしていた2人がいつの間にか仲直り、よかったよかった。
ありがとう昭和鉛筆。君のおかげで助かったよ。